長野がん看護
家族看護研究会

分析シート、トップ画像

分析シート

分析シートを使った
カンファレンス:
ファシリテーションと
リフレクション

研究会で用いる「渡辺式」人間関係見える化シートは、通常のアセスメントシートというよりは、カンファレンスなどの多人数で、ディスカッションを通して可視化するために使うと有効です。なぜ可視化(=誰にでも見える図にすること)を強調するのでしょうか?それは、[カンファレンスの空しさ無意味さ:発言する人はいつもいっしょで、解決に結びつかない。あるいは、ありきたりな解決法で真の答えに程遠い]、があるからです。

臨床とは、物事がすさまじいスピードで流れていく場です。もたもたしていると仕事は終わらず、やりこなすだけで精一杯になります。歯車の1つのようにして仕事をしていくわけですから、患者・家族の全体像も時間の奥行きも見えず、また足元にあるチームメンバーの動き(言動、関り)すら見えません。正直に言えば、看護での「振り返り」の言葉に、私は良いイメージは持っていませんでした。重要となる「内省的思考」を単純な「反省」とごちゃ混ぜにして、「〜できずに悪かった」、「申し訳なかった」、「何もできなかった」と自罰に走るか、反対に他罰的に処理していた自分の苦い記憶のせいだと思います。

語の正しい意味での「リフレクション」の言葉が、看護界のあらゆるところで今重要と言われています。これは実践の意味と効果を問いかける作業なのです。この内省的思考とは、自分(達)の推論過程(看護実践)を意識的に吟味する思考法のことです。単純に言えば「これはどういうことだ?!」と、そのことを焦点化して、ジーと考え込んでみる。なぜ?何が?どのように?と多角的に検討し、推論を立て、再び、その推論が良かったかを検討する、徹底して吟味する思考法です。

研究会で「渡辺式」シートを使って、集団で事例検討会を行うのは、臨床で何をやっているかわからなくなる時/わからなくならないために、一度立ち止まって、内省的思考法を使って、事例を正しく吟味することを推奨したいからなのです。

「渡辺式」家族看護事例分析シートと「渡辺式」意思決定/倫理調整ワークシートに関して